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――――事態は切迫している。 キャスターの優秀な監視網から得た情報があるからこそ、実弟・光実をよく知るからこそ、呉島貴虎はそう強く認識していた。 単に白亜のアーチャー陣営が同盟を組もうとしているというだけであればこうまで焦りを覚えることなどありはしない。 聖杯戦争ということなら有り得ない話ではないし、キャスターならば撹乱・分断の策などはいくらでも用意できる。 襲撃を一時見送らなければならなくなるにせよ、白亜のアーチャーへの対策も無駄になることはない。 「マスター、これは非常に不味い状況かと」 キャスターも現状の厄介さを十分に理解しているらしい。 それはそうだろう。今白亜のアーチャー陣営に接触しようとしているのは誰あろう呉島光実なのだから。 光実が白亜のアーチャーを取り込んで何をするか、想像できない貴虎とキャスターではない。 前提として光実は貴虎がマスターである可能性を疑っている。 キャスターの情報収集の成果からもそれは明らかであるし、そもそも貴虎自身予選の頃から光実をマスター候補と疑っていたのだから逆はあって当然だ。 そしてもう一つ。これが最も重要なことだが光実は貴虎の居場所を知っている。 貴虎は自らがマスターであること、どこに拠点を構えているかを誰にも知られぬよう立ちまわっているが唯一つ例外が在る。 その例外こそ呉島光実に他ならない。優秀な光実なら貴虎がユグドラシルタワー自体を拠点にしている可能性にも気づけるだろう。 今までは光実も地力に劣るサーヴァントを従えているために無理をできなかったのだろうが、もし白亜のアーチャー陣営を味方につけたのなら話は変わる。 マスターである少女を口八丁で丸め込むことぐらい光実なら当然可能だろう。 加えて、あの少女はアーマードライダー龍玄に恩がある。仮面の下の正体を明かせば少女は光実を信用する可能性が高い。 そうして自分たちの手を汚さずして白亜のアーチャーをユグドラシルタワーに差し向ければ光実は労せずして自分たちを落とすことができる。 これこそ貴虎とキャスターが最も危惧すべき最悪のシナリオだった。 (危険を承知で今、動くしかないというのか……) 幸いにも光実と少女の自宅はまだそれなり以上の距離があり、今ならまだ対処するだけの時間的余裕がある。 しかし、オーバーロード・デェムシュやキャスターの使い魔を感知してのけたランサーなど、今のUPTOWNには不安要素が多すぎる。 加えて、白亜のアーチャーへの対策として投入する予定である精神防御礼装もまだ完成に至っていない。 座して死を待つか、多大なリスクを抱えても電撃作戦を仕掛けるのか。究極の二択を迫られる。 まさか楽観的な予測に全てを賭けるわけにもいかない。 「これは…!マスター、先のランサーとオーバーロードが交戦を開始しました!」 「何だと!?」 先ほど撃破されたことを鑑みて使い魔はかなり遠くからの監視に留めていた。 しかしつい今しがたビル群を高速で移動、遭遇を果たしたデェムシュとランサーを捕捉したのだった。 ハイレベルのサーヴァントとそれに伍する存在たるデェムシュの激突は両者一歩も譲らぬ激戦の様相を呈しており、どちらも使い魔の存在に気づいた様子はない。 つまり、今貴虎とキャスターが動き出したとしてもこの二騎に気取られる可能性は極めて低くなったということ。 懸案事項だった不確定要素が消滅とはいかないまでも大幅に減ったのだ。 「どうやら天運は我々に味方しているようだな」 ここに至り、ついに貴虎は決断した。 未だ準備は不完全だが、今ここで少女とアーチャーを鹵獲することを。 元よりユグドラシルの社内は完全に掌握しているためしばらく貴虎がいなくなったところで後からどうとでも記録は改竄できる。 加えて現場第一主義者である貴虎はよく社内の見回りを行っていたためよほど長時間社内を空けない限り怪しまれる可能性は低い。 「機は熟した…とは言い難いがこの機を逃すわけにはいかん。出るぞ、キャスター」 「はい。ですが礼装は今から急げば試作型が出来上がるという程度で完成度は予定よりも大幅に落ちますが……」 「構わん。それと、分断策が使えない以上プランを変更する必要があるな」 「どうされるのですか?」 キャスターの誰何に貴虎は今は偽装されている、令呪の宿った腕を示してみせた。 「この作戦は我々の今後を占う重要な一戦になる。貴重な切り札とて惜しまず投入するさ。 それから目標の自宅周辺の監視を強化してくれ。最善を果たすことは難しいが、だからこそここは次善を尽くす。 我々の動きを発見する者がいれば、可及的速やかにこれを捕捉する態勢を作るんだ。素性も能力もわからぬ主従に奇襲されることは極力避けたい」 「わかりました」 具体的な作戦行動を煮詰めることに関してはキャスターよりもヘルヘイム対策指揮を執っていた貴虎に一日の長がある。 「ある場所」に竜牙兵を一体向かわせるなど時間の許す限り作戦を煮詰め、出撃の準備を整えていった。 ▲ 「マスター、準備が整いました」 「わかった」 竜牙兵の移動にも使われる搬入口から貴虎とキャスターは出発することにした。 飛翔の魔術と周囲への認識阻害を併用することによって空から一気に目標の自宅まで移動する算段だ。 貴虎は懐に仕舞っていたメロンロックシードを取り出し、起動した。 「変身」 『メロン』 貴虎は生身の姿を晒して移動するつもりなど毛頭ない。 ここから先は仮面を被り、正体を秘して動く。そのための変身。 『ロックオン!』 ロックシードをベルトにセット。聞き慣れた電子音声が鳴る。 同時に、貴虎の真上にファスナーが開いたような丸い穴(クラック)が出現。さらにクラックから緑の果実が姿を現した。 貴虎は思う。この発明、戦極ドライバーは本来なら人間同士の戦争に用いられるべきものではなかった筈だと。 人類の未来を切り開く、夢を託したドライバーだった筈なのだ。 しかし聖杯戦争という盤上では戦極ドライバーは単なる人殺しの道具、強力な兵器に成り下がってしまった。 そして自身もまた戦争のためにこの力を使っている。我ながら度し難い限りだ。 それでも、この力で戦うのだ。為すべき事から逃げ出すという選択肢は呉島貴虎の中には最初から存在しない。 普段よりも力を込めて、カッティングブレードを倒す。 変身を完了させるための、最後のプロセスだ。 『ソイヤッ!メロンアームズ!天・下・御・免!!』 頭部から果実を身に纏い、呉島貴虎の姿は異形の戦士へと変わる。 アーマードライダー斬月・メロンアームズ。いざ、出陣。 ▲ ――――空気が変わった。 アーチャー、暁美ほむらは嫌な予感から霊体化を解き仮初めの肉体を実体化させた。 「何してるんだよ、通りでいきなり姿を見せたら」 「その心配はいらないわ。気づかない?さっきから人の姿が全く見当たらなくなってる」 アーチャーの言葉にそんな馬鹿なと思いつつ辺りを見回すが――――確かに誰もいない。 つい先ほどまでは、まばらではあっても通行人の姿があった筈にも関わらず。 どういうことだと光実が思案しようとしていた時、建物や塀の影から無数の異形がカタカタという音とともに二人を取り囲んだ。 「こいつら、何だ……!?インベスとは違う……!」 「使い魔の類かしら。何にせよ、タイミングが悪いわね」 光実とアーチャーの前に立ちふさがったのは骨で形作られた兵隊のようだった。 形は様々で、四足歩行のものもあれば大剣や弓、二刀の短剣を持った個体もある。 サーヴァントの姿は見えないし検知もできないが、何者かの差金であることは間違いないだろう。 あと一キロほど歩けば前川みくと接触できたというのに、こんな時に敵襲とは。 「いつどこからサーヴァントが出るかわからない。注意しなさい」 「言われなくてもわかってる。変身!」 『ブドウ』 何であれ、ここで殺されてやるつもりなどは毛頭ない。 手慣れた手つきで即座に戦極ドライバーを装備し、ブドウロックシードを起動した。 ゲネシスドライバーは使わない。敵の狙いがこちらの手の内を探ることだとすれば、迂闊な使用は向こうの思う壺だ。 『ロックオン!』 ロックシードをセットし、クラックからブドウの果実が出現する。 すると使い魔たちが変身などさせぬとばかりに一斉に襲いかかってきた。 『ハイィ~!ブドウアームズ!龍・砲!ハッハッハ!』 しかし、光実に飛びかかってきた使い魔を鋼の果実が回転しながら迎撃。使い魔は呆気無く砕け散った。 そして果実は全身を包む鎧となり、アーマードライダー龍玄への変身が完了した。 瞬時にブドウ龍砲を発砲、エネルギー弾が正面から躍りかかってきた使い魔を粉々に粉砕した。 アーチャーはといえば、両手に持った拳銃を巧みに操り光実をして感嘆するほどの体捌きで次々と使い魔を破壊していた。 戦闘開始だ。敵サーヴァントの奇襲に注意しつつ、しかし確実に使い魔を屠っていかなければならない。 ▲ ――――また一人、誰かが出掛けたか。 白亜のアーチャー、正義の名を冠する彼女はマスターたる前川みくの住むアパートからまた一人誰かが出て行くところを確認した。 別段、NPCの行動や嗜好に興味などはない。ただ、上手くは言えないが何かが妙だとは感じた。 警戒しすぎか……いや、マスターのことを思えばいくら警戒していても不足ということはない。 ちらりとみくの部屋を見やると窓ガラス越しに携帯電話を操作しているらしいマスターの様子が見えた。 警戒を呼びかけようかとも思ったが邪魔するのも気が引けるのでやめておくべきか。 そう考えていた時、ジャスティスのセンサーが魔力、いや魔術行使の気配を検知した。 ジャスティスには効果の及ばない類の術だがみくのアパートを含めた広範囲に渡って散布されている。 少し前まで霊体化していたこともあって、気づかないうちに魔術の効果が浸透していたのか。 何であれ、マスターであるみくがこの一帯に留まり続けるのは明らかに不味い! (マスター、敵襲だ!すぐにそこから離れろ!) (え、アーチャー、敵襲って……あ…な、に、これ……」 (マスター!?) 念話が途切れる。見れば、部屋の中にいるみくが携帯電話を手放し昏倒している様子が見受けられた。 レイラインが途絶したわけではないため、命に別状はなさそうだがあれでは当然逃げることもできない。 ジャスティスが抱えて逃げ出すこともまたできない。 「まさかこうも上手くいくだなんてね。仮にも聖杯に見初められたマスターなら魔術対策の一つや二つ打っていて当然と思っていたのだけど」 「………キャスター、か」 何故なら、上空にローブを被った如何にも大衆がイメージするところの魔女といった出で立ちのサーヴァントが現れたからだ。 アパートの住人たちが次々とここを離れていたのもこの女の魔術に依るものだったに違いない。 そしてみくがピンポイントで魔術によって意識を奪われたことから考えて、既に彼女がマスターであることは知られている。 さらに空を飛べるのなら、ジャスティスがみくを抱えて逃げようとしても容易く撃墜できる。 対魔力を備えるジャスティスはキャスターの魔術を弾けるがそれとて絶対というわけではないし、みくを狙われればどうしようもない。 ならば、可及的速やかに撃滅してここを離れるのみだ。 魔力放出。瞬きのうちに空中にいるキャスターとの距離をゼロにし横薙ぎにミカエルソードを振るい、その身体を切り裂いた。 だが、斃せていない。斬り伏せたはずのキャスターの姿は既にジャスティスの目の前にはなく、地上に移動していた。 空間転移。極めて高度な大魔術を準備もなく一瞬にして成したというのか。 「あら、怖いわね」 「大した術者のようだが、無謀だぞキャスター。お前では私に勝てない」 キャスターと同じく地上に降り立ったジャスティスの言は驕慢でも油断でもなく紛れも無い事実だ。 強大な魔術師のサーヴァントといえど対魔力スキルを有する三大騎士クラスのサーヴァントには勝てない。 さらに言えば魔術師は戦闘者ではない。正面対決というフィールドで、戦場で名を馳せた騎士クラスの資格を持つ英雄たちと戦えば当然、分は悪い。 ジャスティスとみくの素性を下調べしてきたにしては軽率に過ぎる行動と言わざるを得ない。 ――――ただし、それは正しく一対一の尋常な果たし合いだった場合の話である。 暗い路地から人影が一つ。その人影は鎧武者と形容するのが相応しい姿だった。 左手に大型の盾を、右手に刀剣を持った白い仮面の戦士。しかしそれ以上にジャスティスが注目したのは腰に付けたベルトだ。 先ほど遭遇したマスターである緑の戦士が身につけていたベルトと全く同じものを装備していた。 「まさかマスターが前衛を張るつもりか?私を相手に?」 「その気がなければここにはいない」 よく見てみれば白い戦士は全身と武装から魔力が感じられる。先の緑の戦士とは違い魔術的強化(エンチャント)を受けていることは明らかだ。 ジャスティスの宝具の一つ「叛逆の王(ギルティギア)」にも何らかの対策を施してきたのかもしれない。 だが、まだ足りない。あちらも同様の認識だったのだろう、白い戦士が令呪発動の命令(コマンド)を解放した。 「令呪を以って命じる。この一戦の間対魔力スキルを打ち破れ」 「承りました、マスター」 令呪のバックアップを受けたキャスターがジャスティスへ魔術攻撃を放つ。 四発放たれた魔力弾は全てがAランク相当の魔術。しかしジャスティスはミカエルソードで全てを防御した。 されど、「防御しなければならなかった」。今のキャスターにはジャスティスの対魔力をも無効にする概念のようなものが付加されている。 三騎士クラスがキャスターに対して有利となる要素を令呪によって打ち消す。敵ながら上手い使い方だと認めざるを得ない。 キャスターに反撃を行おうとしたジャスティスを遮るようにして白い戦士、アーマードライダー斬月が盾を構えて間合いを詰める。 元々の斬月自体の人間の域を超えたスピードにキャスターの強化が合わさった加速は最早サーヴァントと同じステージに在る。 振るわれたミカエルソードを大盾・メロンディフェンダーで受け止める。当然のようにジャスティスに押し込まれるが、逆に言えば押し込まれるに留めている。 「…なるほど、ただの自惚れで私と相対したわけでもないか」 「あまり人間を侮ってもらっては困る」 無論、ジャスティスは手加減などしていない。許される魔力消費の範疇内とはいえ全力で斬月を屠ろうと剣戟を見舞っている。 だが斬月はジャスティスの予想を上回る強者だった。アーマードライダーの力とキャスターの魔術支援によって辛うじてジャスティスと同じ領域で戦えるパワーと装甲。 加えて変身者である呉島貴虎自身の培った技量と戦術眼で、圧倒されながらもジャスティスの攻撃を受けきってみせている。 敵の攻撃を見切り、後の先を取ることに長けた貴虎だからこそ成し得る奇跡だ。 (だが、こいつは何故私に立ち向かえる?キャスターの仕込みがあるとしても私の宝具を完全に防げるとは思えん。 あるいは、あのライダーと同じ狂人の類なのか?) 何故、斬月はこうもジャスティスに肉薄し真っ向から近接戦闘を繰り広げることが可能なのか。 スペックや技術の話ではない。ジャスティスが疑問を抱いた通り、精神的な問題だ。 キャスターは自身に精神防御魔術を施すことによって「叛逆の王(ギルティギア)」の影響をある程度軽減している。 しかしマスターである斬月はそうはいかない。キャスターが用意した試作型の精神防御礼装の効力で多少は影響を抑えているがそれだけだ。 しかし事実として斬月は堂々とジャスティスに立ち向かっている。ジャスティスに対して怯み、竦んだ光実との違いは何なのか。 無論、貴虎は「叛逆の王(ギルティギア)」を無効化しているわけではない。 絶えずジャスティスが放つ破壊神のプレッシャーに晒され、身体能力も削ぎ落とされている。 貴虎はただ、ひたすらに耐えているだけだ。ジャスティスの攻撃に、威圧感に。 ノブレス・オブリージュ。人々を守るために力を尽くす、呉島貴虎を形作る強固な信念。 地球がヘルヘイムの侵略に晒された時も、オーバーロードの王ロシュオの絶大な力を目の当たりにしても尚捨て去ることのなかった信念が貴虎に膝を屈させない。 「はあああああっ!!」 斬月の渾身の反撃を一歩も動かず受け止めるジャスティス。 無双セイバーとミカエルソードが火花を散らし、すぐにジャスティスが膂力のみで斬月を吹き飛ばした。 そのまま吶喊しようとした時、キャスターが現代人は元よりジャスティスにさえ聞き取ることのできない発音で呪文を紡いだ。 「………っ!」 目に見えない何かが重石になったようにジャスティスのあらゆる動作速度、パワーが一段階落ちた。 重圧の魔術によってキャスターがジャスティスの能力を削ぎ落としたのだった。 本来なら対魔力で無効化ないし大幅に減衰できるのだが、キャスターが令呪のバックアップを受けている今は直撃を免れない。 キャスターからすればジャスティスがこちらの力を削いでくることは百も承知。ジャスティスの宝具を防ぎきれないならこちらも相手の能力を落とせばいいのだ。 続けて放たれた攻撃魔術。どれもが当たりどころ次第で大きな痛手になる大魔術をジャスティスは高速移動で回避。 回避した先に、復帰した斬月が一気に迫り無双セイバーを振るった。 再び無双セイバーとミカエルソードがぶつかるが、今度は先ほどのようにジャスティスが斬月を圧倒することはできない。 無論未だパワーではジャスティスの方が上だが、単純な腕力のみで押し切ることはできない程度には両者の差は縮まっていた。 業を煮やしたジャスティスが法力を解放、バーストで斬月を吹き飛ばす。 さらに魔力放出で超加速し背後から斬月を切り伏せようとするも、マスターのそれとは思えぬ反応速度で防がれた。 「生憎だがそれは知っている」 ジャスティスとバットマンの戦闘を見知っていた斬月はバーストを使われる寸前にメロンディフェンダーを構え地面に踏ん張っていた。 解放された法力をメロンディフェンダーが一種の光学兵器と認識し、電磁シールドを展開して衝撃の過半を殺していたのだ。 これにより吹き飛ばされながらも転倒を免れ、続く魔力放出での強襲にも辛うじて反応することができた。 聖杯戦争とは情報戦でもある。互いの手札を知っているか否かの差が徐々にジャスティスを苛みはじめていた。 全力での一手を防がれ逆に不意を突かれる形になったジャスティスの僅かな隙を見逃さず振るった無双セイバーの斬撃がついに彼女のボディを捉えた。 とはいえ、重厚な装甲を誇るジャスティスだ。魔術による強化を受けた無双セイバーが命中して尚ごく僅かな傷しかつかない。 しかし、傷は傷だ。この聖杯戦争において無敵を誇ってきたジャスティスが初めて明確な、誰の目にも明らかな大きさの傷を負った。 「…ようやく、一撃か」 斬月の仮面の下で貴虎は確かな手応えと、そして同時に改めてジャスティスの筆舌に尽くし難い強大さを認識していた。 目の前に立つアーチャーは紛れも無くトップクラスのサーヴァントだろう。全力さえ解放できれば今回の聖杯戦争でも最強ですらあるかもしれない。 だが決して無敵の存在ではない。傷を追わないわけでもなければ不死身でもない。 それでも、強大な存在であることには何ら変わりない。 事前の情報収集で見知った手札に対策として用意した魔術礼装、令呪一画を切ったブーストに敵の能力を削ぐ大魔術。 予選期間から溜めに溜めた莫大な魔力量に物を言わせた魔術による攻勢にユグドラシルの技術の粋を結集、さらに強化魔術をも重ねたアーマードライダー。 これだけの手を尽くしてようやく傷を一つ与えただけ。これが英霊か、これが聖杯戦争か。 ジャスティスもまた、敵の周到さと刻一刻と悪化する状況に危機感を募らせつつあった。 これまでのキャスターと白い戦士の対応を見る限り、最初のライダーとの戦いや怪物からみくを救った場面は間違いなく筒抜けになっている。 加えてキャスターの魔術の技量も白い戦士の粘りも相当なレベルにある。他者を容易く強化する魔術支援も相まって、白い戦士は緑の戦士とはまるで次元の違う強さだ。 とはいえ、十全な魔力供給さえ受けられれば。本来のスペックさえ発揮できれば間違いなく勝てる戦いのはずだ。 いや、勝てるという表現さえ適切ではないか。本来なら勝負すら成立させずに塵に帰せるほどのパワーが、火力がジャスティスにはある。 今のジャスティスはほとんど魔力供給を得られないばかりか、切り札の令呪による支援すら封殺されている有り様だ。 みくの詳しい容体が分からない今、迂闊に彼女から魔力を吸い上げるわけにもいかず、結果自らの保有魔力のみでの戦闘を余儀なくされている。 当然のことながら、戦闘が長引けば長引くほどジャスティスの魔力総量は目減りしていく。 つまり均衡・接戦の状況が続くほどに天秤はキャスター主従に傾いていくということだ。 最早リスクを踏まずに戦況を打開することはできないと考えるべきだろう。最強宝具は使えないまでも、いくつかの武装を限定解除して殲滅する他ない。 これまでジャスティスは徒手空拳かミカエルソードを使った近接戦闘しかしていない。この事実をこそ武器にする。 すなわち、相手は自分のクラスをセイバーと誤認している可能性が高い。その一点に賭ける。 万に一つ撃ち漏らしたとしても、隙さえ作ればアパートにいるみくを回収して離脱する目も出てくる。 決断するや魔力放出の加速で一気に距離を取り、TNT数t分の威力の爆発に相当する炸裂弾N.Bを連続で発射した。 これまでの戦い方から一転してアーチャーとしての攻撃にシフトしたのだ。敵がこちらのクラスを誤認していれば意表を突けるはずだ。 ジャスティスの期待とは裏腹にキャスターは動じた様子もなく聞き取れない発音で魔術を発動、盾とも結界とも取れる魔術障壁によって敵主従を狙ったN.Bの爆発は容易く防がれた。 コルキスの王女メディアが操る防御魔術の強度は世界最大級の英雄ヘラクレスの無敵の肉体にも匹敵する。 たかだかTNT数t分の威力ではとてもではないが突破することは叶わない。 「侮らないでほしいわね、弓兵(アーチャー)。この程度なら防ぐなど造作もないわ」 キャスターのあまりに的確な対応に射撃兵装による攻撃は読まれていたことを悟った。 とはいえ、ジャスティスとてこうなることを一切予期していなかったわけではない。 使いたくはなかったが、今の魔力で使える最大最後の火力を解き放つしかない。 ジャスティスの頭部からキャスター目掛け強烈な閃光が放たれ、展開されていた魔術障壁と衝突した。 先ほどのN.Bとは段違いの威力を誇るレーザー攻撃、インペリアルレイの光が瞬く間にキャスターの障壁に罅を入れていく。 焦りを覚えたキャスターが懸命に魔力を込めるが防ぎきれない。 (不味い……!どこにそんな魔力が残っていたというの!?) 砕かれた盾。迫り来るインペリアルレイの光条。転移魔術も間に合わない。 「やらせるものか!!」 不意に、キャスターの視界が白い背中に覆われた。 メロンディフェンダーを構えた斬月がキャスターとインペリアルレイの間に割って入ったのだった。 強力なエネルギー攻撃を検知したメロンディフェンダーが電磁シールドを展開、インペリアルレイの残滓を受け止める。 僅かな拮抗の後、急速にレーザーの勢いが弱まり、やがて完全に途絶えた。 ジャスティスの放ったインペリアルレイは元々魔力供給の不足からカタログスペック通りの威力を出しきれてはいなかった。 加え、キャスターの魔術障壁を破った代償に大幅に威力の減衰したインペリアルレイでは防がれて当然だった。 (キャスター、私が隙を作る!奴に最大火力を叩き込め!) (は、はい。わかりました) 貴虎は大技を破られた直後にあるジャスティスから感じられるプレッシャーが弱まり、動きも目に見えて鈍くなったのを鋭く察知した。 サーヴァントを存在させているのは魔力であり、魔力の著しい不足はすなわち存在そのものの劣化を引き起こすことは予選の頃にキャスターから聞かされていた。 マスターに開示されるサーヴァントのステータスとは十分な魔力を持ったピーク時のものであり、魔力が不足すれば際限なく劣化していくことも。 ならば、相手が多量の魔力を浪費した今こそが好機。反撃の時は至れりとばかりに斬月が戦極ドライバーのカッティングブレードを操作した。 『ソイヤッ!メロンスカッシュ!』 電子音声と同時、斬月が左手に保持していたメロンディフェンダーを渾身の力で投擲した。 無論、ただの投擲ではない。ロックシードのエネルギーを付与した、インベスの強固な外殻さえ破り爆散させる必殺技・メロウブラストだ。 さらにキャスターの強化魔術によって、メロンロックシードのエネルギーとメロンディフェンダー本体、そして投擲する斬月自身の膂力の全てが段違いに強化されている。 そして神秘が付与されている以上、龍玄のドラゴンショットとは違いサーヴァントを傷つけ殺傷することができる。 インペリアルレイを撃ち魔力を大量消費した直後故の僅かな硬直、そして動揺を突かれたジャスティスには回避する術がない。 せめて堅固な両腕の装甲でガードし魔力放出で弾き飛ばそうとするが――――思うように出力が上がらない。 (魔力、切れ――――――――) これまでどうにか内蔵魔力で戦ってきたジャスティスだったが、ここにきて決定的な魔力不足の状態に陥った。 魔力の切れ目はまさしく命の切れ目。ジャスティスほどの絶対的強者であろうとも、サーヴァントである限り決して逃れられない宿命だった。 著しい魔力不足の状態に立たされたことで基本ステータスそのものの低下をも引き起こしてしまっている。 しかし流石は破壊神、両腕に大きなダメージを負いながらもメロウブラストを弾いてのけた。 が、斬月からしてみれば必殺技が捌かれることなど当然予見していたことに過ぎず、故に次の一手を用意しないわけがない。 「……キャスター!」 「終わりよ、アーチャー」 宙空に浮かび上がったキャスターが描いた魔法陣から機関銃の如くしてAランク相当、あるいはそれ以上の魔力弾が掃射された。 大魔術の発動に数十秒以上の詠唱を必要とする現代魔術師が見れば卒倒しかねない光景であろう。 メロウブラストを防いだ直後では十全な回避・迎撃はままならず、総火力ならインペリアルレイにも比肩する暴力的な火力が次々とジャスティスの白亜のボディを抉り取っていく。 満身創痍になりながらも未だ膝を屈さぬのは最強のギアとしての戦闘続行能力が成せる業か。 『メロンスパーキング!』 まるでジャスティスの圧倒的タフネスを見越していたかのように、斬月が必殺技を起動。 空高く飛び上がり、ロックシードのエネルギーを脚部に集めた無刃キックを放つ。 翡翠の流星となった斬月のライダーキックに対し、咄嗟にバーストで押し返そうと試みるジャスティス。 「はああああああああああ!!」 一瞬の拮抗の後バーストは破られ、剣や鉤爪を生成できないほど損傷した両腕をクロスしガードしたが敢え無く破砕され白亜の胴体に無刃キックが直撃した。 必殺技の炸裂による爆発と共にジャスティスの巨体が吹き飛ばされ、ついに地に倒れ伏した。 「ぐぅっ……!」 必殺技を放った斬月も膝をつき、変身が解除され生身の貴虎の姿が表出した。目に見える外傷はないが、疲労から肩で荒く息をしている。 精神力で耐えぬいたとはいえ、「叛逆の王(ギルティギア)」によるプレッシャーに常時晒されていたために五分にも満たぬ戦闘の間にも急速にスタミナを消耗していたのだ。 加えてアーマーに何度か命中していたジャスティスの攻撃は容赦なく貴虎の肉体にダメージを蓄積させており、インペリアルレイを防いだ衝撃がそれをさらに後押しした。 疲労、ダメージの両方が限界に達しつつあった中での大技の連続使用は最強のアーマードライダーたる貴虎をしても負担が大きすぎた。 このため、無刃キックを撃った直後に装着者を負荷から守るためにシステムが強制的に変身を解いたのだ。 「マスター、ご無事ですか!?」 「…私なら大丈夫だ。それよりもアーチャーとマスターを捕縛しろ」 即座にキャスターが施した治癒魔術でいくらか回復した貴虎は健在をアピールし、キャスターに指示を出す。 無言で了承したキャスターは両腕を失ったジャスティスを魔術で拘束、油断なく接近していった。 「……しかし、対策を準備し圧倒的な優位を築いて二対一で仕掛けてもこれか」 改めてよく作戦が成功したものだと思う。 貴虎とキャスターは魔術で意識を奪った前川みくには目もくれずジャスティスに攻撃を集中した。 情けや甘さでマスターを狙わなかったのではない。狙うことができなかったのだ、ジャスティスがあまりにも強すぎたために。 ほんの一瞬であっても片手間に相手をしようとすれば即こちらの喉笛を噛みちぎるほど鋭利な牙を持つ強敵だ。 斬月なりキャスターなりがみくを確保しようと動けば必ずその間隙を突いて突破してくる。そういう確信を抱かせるサーヴァントだった。 だからこそ、総力を挙げてジャスティスにダメージを与え十分に弱らせておく必要があったのだ。 それとて殺すつもりでかからなければ自分たちもどうなっていたことか。 魔力が枯渇したジャスティスに攻勢をかける際、貴虎は完全にジャスティスを殺す気で攻撃していた。 実際、ジャスティスが咄嗟にガードして衝撃を殺していなければ無刃キックが霊核を傷つける可能性もないわけではなかった。 というより、普通のサーヴァントが相手なら間違いなくオーバーキルな攻撃である。 剣を交える中で生半可な気持ちで攻撃して捕縛できるような相手ではないと悟ったのだ。 殺す気で全霊の火力を叩きつけ、結果的に捕縛できた。そういう気概でなければ勝敗は逆転していたかもしれない、と貴虎は確信していた。 「もっともそれだけの力を持つサーヴァントを支配下に置けることは聖杯への大きな一歩だろうがな」 ▲ ジャスティスは自らが敗北したという事実を厳粛に受け止めていた。 地に倒れた彼女を縛る鎖は万全ならともかく今の損傷度合いと消耗では破ることは不可能だ。 そして何故敗れたのか、という事についても既に答えを得ていた。つまりはマスターの差だ。 彼我の魔力保有量の差、諜報能力や事前準備といった条件による有利不利は確かにあっただろう。 しかし何よりも明暗を分けたのはマスターの能力と決意の差があったからだ。 サーヴァントはマスターの指揮によって最大限、ないしそれ以上の力を発揮することがあるという。 自分には関わりのない話だと思っていたが、なるほどこうして結果を突きつけられれば認めざるを得ない。 前川みくは先ほど、確かにジャスティスと一個の人間、生命体として向き合う決心をし、聖杯戦争にも向き合う覚悟を固めた。 今まで現実逃避じみた行動ばかりを繰り返してきた過去を思えばそれは誰の目にも明らかな前進だった。 だが言ってしまえばその程度の決意は聖杯戦争に臨むマスターならしていて当然という程度のことでしかなく、さらに言えば今までマスターとして何もしてこなかったという事実が消えるわけではない。 前川みくは何も積んでこなかった。何もしていなかった。ましてや特別な技能もない。 そんな小娘の決意一つが呉島貴虎の積み上げた覚悟に、研鑽に、準備に届くはずがない。 戦う前から、ジャスティスという圧倒的個の戦術的優位でさえ覆せないほどの戦略的敗北を喫していた。 ならばこそこの結果は必定ではあった。 「無様ね、アーチャー」 勝ち誇った様子でキャスターがジャスティスを見下ろす。みくはキャスターの腕の中にあり、趨勢を見せつけるかのようでもあった。 もう何をしても状況一つ動かせない瀕死、消滅寸前の重体だ。ならばキャスターの態度は油断でも驕慢でもなく勝者の余裕と形容すべきものだ。 何ならとどめを刺されずとも半日も経てば魔力枯渇で消えるような状態だ。わざわざ無駄な手間をかけて殺しにきたか、と考える。 「言い訳や命乞いをするつもりはない。殺せ」 「早合点が過ぎるというものよ。貴女にはこれから存分に役立ってもらうのですからね」 「……何?」 不意に、悪寒を覚えた。何か取り返しのつかない事態になる予感がする。 ジャスティスの思考を裏付けるかのようにキャスターが一本の歪な形状のナイフを実体化させた。 格こそ高くはないが見間違えようもない。この短剣こそがキャスターの宝具だ。 「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)」 真名を解放。突き立てられた宝具。 マスターとサーヴァントを繋ぐ術式が、契約が根本から覆されていく苦痛がジャスティスを襲う。 「ぐ、がぁあああああ――――――――!!!」 悶えながら、ジャスティスはマスターとサーヴァントの契約権たる令呪がみくの手から消え、あろうことかキャスターに移る様を見た。 キャスターは契約の移行が済んだことを確認すると令呪を移植した左腕を掲げた。 「令呪を以って命じます。以後私と私のマスターに従いなさい、アーチャー。 重ねて第二の令呪を以って命じます。私と私のマスターに対し害をなす、ないし不利益を齎す言動、行動の一切を永久に禁じます。 害、不利益を齎すとは知ることを話さない、翻意を隠す、嘘をつくといった行動全てを含みます」 莫大な魔力がジャスティスに供給されると同時に、二画の令呪の強制が働いた。 一般的にサーヴァントの意に反する令呪行使は対魔力次第で効果が減少、場合によって無効化される、また曖昧で長期的な命令ほど効果が薄くなるとされている。 だがそういったセオリーが適用されるのは近現代の魔術師であり、例外というものは常に存在する。 根源と共に在った神代に生きた魔術師にしてキャスタークラスに該当する英霊でもトップクラスに位置する王女メディアにそのような原則は通用しない。 何故なら令呪の効力とは使用者の魔術の力量次第で増減するからだ。 キャスターが発した令呪ならランクBの対魔力を持つジャスティスにすら一切の反抗を許さない埒外の効果を発揮する。 「…反則技だな、キャスター。サーヴァントがサーヴァントを使役しようというのか」 「あら、魔術師がサーヴァントを従えることに何の不都合があって? このお嬢さんのような魔術回路も持たぬ人間がマスターであるよりよほど理に適っているでしょうに」 「ならば、何故マスターを生かす?」 ジャスティスはキャスターが未だみくを殺さぬことに疑念を覚えていた。 キャスターによって令呪に酷似した何かを移植されたせいなのか、サーヴァントと令呪の両方を失ったにも関わらず消滅する兆候が見られない。 いや、よくよくレイラインを感じ取ってみればみくとの魔力供給のラインは残っている。 何にせよ上手い手だ、と敵ながら感心するしかない。 みくを殺したなら、彼女の命が既に失われたなら令呪の束縛があろうと思いきり抵抗しようという気にもなれた。 何もできず殺されるのだとしても、奴らに痛手や出血を強いることはできる。 しかしこうして人質に取られてしまっては令呪に関係なく迂闊な真似をすることができない。 なまじみくが無事であるという事実がジャスティスを縛る第三の鎖になっている。 「それは私が答えよう。…が、今は場所が悪い。 すぐに引き上げるぞ、キャスター。光実に感づかれてはいないか?」 「今しがた足止めに差し向けた竜牙兵が殲滅されたところです。 それから擬似令呪の移植は滞り無く済みました。ですが何時聖杯に感づかれ干渉されないとも限りません。まだ予断の許されない状況かと」 「わかった、引き続き経過の観察に努めてくれ。 撤収するぞ、長くこの場に留まるわけにもいかないからな」 キャスターが恭しく頭を垂れ従うと、魔術によって四人の姿は余人から隠蔽された。 後には半壊したアパートやコンクリートを抉られた路地だけが残った。 「Blitz Action(後編)」に続く
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【マスター】 久宇舞弥@Fate/Zero 【マスターとしての願い】 切嗣の願いのため戦争で流れる血を減らす。 場合によっては聖杯を手にして切嗣の願いを叶える一助に。 そして平和な世界で、アイリスフィールと自身の願いを叶える。 【weapon】 キャリコM950短機関銃 装弾数50発、発射速度は毎分700発、弾は9mmパラべラム。 フルオートとセミオートの切り替えにより制圧射撃と精密射撃に併用可能。 グロック17 装弾数17+1発、弾はキャリコと共通の9mmパラべラム。 他サバイバルナイフ、スタングレネード二つ、発煙筒二つ、手榴弾など携行していたもの。 【能力・技能】 幼年兵としての経験に加え「魔術師殺し」衛宮切嗣に師事し、戦闘術・魔術を習得している。 銃器やナイフの扱いなど人の範疇にある武装を得意とする。 魔術は特に低級の使い魔を使役する方面に才能を示した。好んで使うのは蝙蝠。 「魔術師」としての技量はさほどでもないが、「プロの殺し屋」としての使い方ができるため、遥かに危険。切嗣に習った知識・戦術により、通常の魔術師以上に優れた戦闘術を持つ。 熱感知スコープを通じて魔力の使用を感知する、使い魔にカメラを取り付け幻惑や結界の対策とするなど「魔術師殺し」を構成する一部として恥じない魔術使い。 【人物背景】 戦争只中の貧国で幼年兵として使われていたところを切嗣に拾われる。それ以来、切嗣の助手として働いてきた。 「久宇舞弥」というのは切嗣が最初に作った偽造パスポートに使われた名前であり、本名ではない。 舞弥自身、切嗣に拾われる以前の記憶は殆ど無く、出生も本名も覚えていない。 少年兵時代は昼は戦闘、夜は大人達による輪姦という凄惨な日常を余儀なくされており、輪姦の結果子供を孕み、父親にあたる男性に頼まれて出産したこともある。 その子とも早くに引き離され、再び同じ地獄に戻る生活を切嗣に拾われるまで続けており、切嗣が舞弥を拾った時には既に彼女の人間性はなくなっており、今の人格は殻の機能に過ぎない。 人間性を剥奪され育ったため「確立された自我」が無い。そのため自身の境遇、過去にすら悲しみも怒りも懐いていない。 一切の感情が欠如しており、ただ人間の殻をかぶり冷徹に任務をこなす、機械か使い魔のようなモノ。ゆえに時として切嗣以上に的確かつ容赦ない判断を下す事ができる。 衛宮切嗣がロボットのフリをする人間で、衛宮士郎が人間のフリをするロボットなら、久宇舞弥は衛宮切嗣というロボットの部品。 ……切嗣が人間でしかないように、その一部を自称する彼女もまた最期には人間性を垣間見せた。 その瞬間の参戦。 【方針】 外部との連絡手段の模索、並行して危険人物の排除。 場合によっては聖杯の獲得。
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The story below is originally published on Mainichi Daily News by Mainichi Shinbun (http //mdn.mainichi.jp). They admitted inventing its kinky features, or rather deliberately mistranslating them from the original gossip magazine. In fact, this is far from the general Japanese behavior or sense of worth. このページは、毎日新聞事件の検証のための配信記事対訳ページです。直接ジャンプして来られた方は、必ずFAQをお読みください。 ※ この和訳はあくまでもボランティアの方々による一例であり、翻訳の正確さについては各自判断してください。もし誤訳(の疑い)を発見した場合には、直接ページを編集して訂正するか翻訳者連絡掲示板に報告してください。 Savvy schoolgirls of the Little Bubble beat the odds to become the 'special generation'抜け目のないコバブル女子生徒たちが逆境に打ち克ち「スペシャルジェネレーション」になる 参考資料 拡散状況 翻訳者の感想 関連ページ Savvy schoolgirls of the Little Bubble beat the odds to become the special generation 抜け目のないコバブル女子生徒たちが逆境に打ち克ち「スペシャルジェネレーション」になる 0 Savvy schoolgirls of the Little Bubble beat the odds to become the special generation 2008,03,11 AERA 3/10 By Ryann Connell 抜け目のないコバブル女子生徒たちが逆境に打ち克ち「スペシャルジェネレーション」になる 2008,03,11 AERA 3/10 ライアン・コネル記 1 Japan s kobaburu babes, the schoolgirls of the mid- 90s who drove the country s trends, have plied the talents they picked up then to become a powerful force even today, though by rights they shouldn t be,according to AERA (3/10). 日本のトレンドを動かした90年代中ごろの女子生徒たち・日本のコバブル女子が、今日においても力強い影響勢力となるために、当時習得した手腕を発揮しているが、当然だが彼女たちはそうはならないようだ。AERA(3/10)より。 2 Kobaburu or "Little Bubble" women are now in their late 20s. They re the same women who, as schoolgirls, were spoiled rotten by marketers a decade ago who gladly handed over cash and pricey valuables to them just to be able to boast that the items were hot among schoolgirls and thus hyper-fashionable. コバブルすなわち「小バブル」な女性たちは、現在二十代後半である。 彼女たちは、十年前マーケッターによって、女子生徒のときに甘やかされて堕落してしまった女性たちと同じ女性たちである。マーケッターは、これらの品物は女子生徒の間で目下人気があるから超ファッショナブルなのだ、と喧伝できるようにするためだけに、金や値のはる貴重品を彼女たちに喜んで手渡した。 3 For a few years from about 1995 on, schoolgirls wearing loose socks became the barometer of Japanese fashion, and they experienced their own little economic bubble like they d watched their parents go through as Japan s economy burgeoned in the late 80s. And the kobaburu babes have parlayed what they picked up during the halcyon days when they were the center of the country s consumer economic attention to put their talents to work in today s new economy, even though times have been tougher for their generation than any other in the postwar period. 1995年頃から数年の間、ルーズソックスをはいた女子生徒たちは、日本のファッションのバロメーターとなり、彼女たちはちょっとした自分たち自身の経済バブルを体験した。それは彼女たちが、日本経済が80年代後半に急速に成長したときに親たちが体験したのを、見たところのものに似ている。 そしてコバブル女子は、彼女たちが日本の消費者経済の注目の中心であった、平穏で幸福な時代の間に習得したものを活用して、現在の新しい経済の中で彼女たちの手腕を発揮しようとしている。とはいえ時勢は、彼女たちの世代にとって、戦後のどの世代にとってよりも、厳しくなっている。 4 "These women are part of the Lost Generation, the women for who it was almost impossible to find a career in a major corporation after graduating, but they have absolutely no recognition of this," Yasuko Nakamura of Boom Planning, a marketing company that centers its work on schoolgirls, tells AERA. "For these women, changing jobs is a perfectly natural thing to do and they believe that if they missed out on getting a job at the place they most wanted to, they will still have a chance to get there in the end." 「これらの女性は失われた世代の一部――卒業後に大企業に就職することがほとんど不可能だった女性たち――ですが、彼女たちはそのことを全然まったく認識していません」と、女子生徒を主なターゲットとした仕事をしているマーケティング会社・ブームプランニングの中村泰子はAERAに語る。 「こういった女性にとって、転職は完全にして当然のことであり、最も就きたかった職に就けなかったとしてもいつかは就ける機会があるだろう、と彼女たちは信じています」 5 A feature of the kobaburu babes, the women s weekly says, is to utilize the networks they built up as schoolgirls while exchanging mobile phone numbers and purikura photos. They re also advance planners and strategic thinkers. この女性週刊誌(AERA)がいうには、コバブル女子の特徴は、女子生徒のときに携帯電話の番号やプリクラ写真を交換しながら作り上げてきた人脈を使う、ということだ。 彼女たちはまた、時代に先駆けたプランナーであり戦略的な思索家である。 6 "I always dress so that the first impression people get of me is that of an ordinary OL (female office worker). That gives people a surprise when they learn how well I can get the job done," says Chie, a 27-year-old movie company employee. "It s pretty easy to make yourself look good." 「私はいつも、みんなが私から受ける第一印象が平凡なOL(女性会社員)みたいになるように服を着ます。そのため、私がとても仕事をよくできることにみんなが気がつくと、みんなはとても驚きます」と、二十七歳のムービー会社社員・チエはいう。 「自分をよく見せることはとても簡単です」 7 Yuko Kitakaze, a representative of Dentsu Consumer Insight, a marketing company that has long tracked trends among the women now being called the kobaburu babes, agrees. 現在コバブル女子と呼ばれる女性たちのトレンドを長い間追跡調査してきたマーケティング会社・電通消費者情報トレンドボックスの代表・北風祐子も、同意見である。 8 "On the outside, these women look flashy and powerful, but on the inside they re scared. Unlike the women who came of age during the bubble era and are likely to throw everything into making successful love and working lives for themselves, only to wipe out by drinking if things don t turn out that way, the kobaburu generation work things out in advance so things do turn the way they want them to," Kitakaze tells AERA. "They use the communication tools that developed when they were high school students to form strong networks to cooperate together. They have a really strong group awareness." 「外見は、これらの女性は派手で強そうに見えますが、内面では、彼女たちは怯えています。バブル期の間に成人し、恋と仕事をうまくやるためにはすべてを投げ打ってしまうような、それがうまくいかなかったら酒を飲んで忘れてしまうだけの女性たちとは違います。コバブル世代はあらかじめ物事をうまくやり遂げて、事態を自分が望むように変えます」と、北風はAERAに語る。 「彼女たちは、高校生のときに培ったコミュニケーションのツールを使って、強い人脈を作って一緒に協力します。彼女たちはとっても強い仲間意識を持っています」 9 And the kobaburu babes also differ from their elders by choosing early marriage and motherhood. Having struggled after graduating, they are also apparently aware of the importance of "seizing the moment" because happiness can be so fleeting. そしてコバブル女子はまた、早期結婚と早期育児を選ぶ点で、彼女たちより年上の女性たちと異なっている。卒業後苦労してきたため、彼女たちは「機会を逃さない」ことの重要性にも気がついているようだ。なぜなら幸せとは儚いものとなりうるのだから。 10 Tomoki Shimano, chief editor of phenomenally successful fashion magazine AneCan, which targets the kobaburu women in their late 20s,is convinced this group is "a special generation." 二十代後半のコバブル女子をターゲットにした、驚異的な売り上げのファッション雑誌AneCanの編集長・嶋野智紀は、これらの世代は「特別な世代」であると確信している。 11 "This is the same generation that made incredible hits out of the Tamagotchi, purikura and (AneCan predecessor and sister publication) CanCam," he tells AERA. "But the schoolgirl boom of the 90s didn t come about because there was a power about the schoolgirls of the time. It came about because there was a tremendous power in the generation of women who happened to be schoolgirls at the time." (By Ryann Connell) 「この世代は、たまごっちやプリクラ、(AneCanより先に創刊された姉妹誌)CanCamに信じられないほど熱狂したのと同じ世代です」と、彼はAERAに語る。 「しかし、90年代の女子生徒ブームが起こった理由は、当時の女子生徒にパワーがあったからではありません。ブームが起こったのは、この世代の女性にとんでもないパワーがあったからで、彼女たちは当時たまたま女子生徒だったのです」(ライアン・コネル記) 12 (Mainichi Japan) March 11, 2008 (毎日 日本) 2008年3月11日 参考資料 ブームプランニング http //www.boom.co.jp/ 中村泰子 http //spysee.jp/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E6%B3%B0%E5%AD%90 電通消費者情報トレンドボックス http //www.dentsu.co.jp/trendbox/adkeizai/index.html AneCan http //ja.wikipedia.org/wiki/AneCan CanCam http //ja.wikipedia.org/wiki/CanCam 拡散状況 AsianOffbeat http //www.asianoffbeat.com/default.asp?display=1604(*1) Blogger http //kristonikkolo.blogspot.com/2008/03/taibukad-koolitdrukud-letasid-ootusi.html Nigihara http //www.nigihana.com/forum/showthread.php?t=7865 SeekJapan http //www.seekjapan.jp/news/other/2008-03-12 英語サイト http //www.currentaffairsherald.com/?p=559 海外ブログ http //sonletay.vox.com/library/post/little-bubble-schoolgirls-become-a-special-generation.html 翻訳者の感想 「コバブル女子」のネーミングはAERAの記事を担当した人とその企画に協力した電通消費者研究センターの人達で考えたようです。 「コバブル女子」 「女子高生ブーム」でバブルな体験をし、自信満々で楽しく人生を送っている20代後半の女性たちのこと。 第5節 the women s weekly says, コネルはなぜかAERAを女性週刊誌扱いしています。日本語が読めない人が見たって女性誌とは思わないのでは。 日本語を読めるコネルの単なる勘違いとは考えにくいです。なにか意味があるんでしょうか。 関連ページ AsianOffbeat Blogger Nigihara SeekJapan WaiWaiの記事を転載した英語サイト:C 優先的に翻訳すべき記事リスト 毎日新聞英語版から配信された記事2008年 海外ブログに記事が及ぼした影響
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【登録タグ 曲 TG】 Girl 歌手:E・M・U
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14名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/02/06(火) 21 06 04.75ID gy/GivOe SN HotGirl troll 暴言ガイジ 負けたのをすぐ人のせいにするイキリおたく QWEのスキルがCDなら教えろよと無茶なことを言う池沼 名前 コメント
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「スクールシップ・ウォー!」Q.学園艦が並んでるシーンの元ネタになった空母の一覧 「スクールシップ・ウォー!」 Q.学園艦が並んでるシーンの元ネタになった空母の一覧 └A. ガールズ&パンツァー GIRLS und PANZER 508輌目より 663 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2013/03/25(月) 16 39 32.57 ID MLIcAe0hP 235 他校の学園艦調べ、facebookの英語のコミュニティーで見つけた。 新たに出てきた学園艦 右から スルクフ(潜水艦) フランス→マジノ女学院 (スルクフは映画「ローレライ」に出てくるイ507潜水艦のモデル) 赤城(空母) 日本→知波単学園 (近代改修前の多段式甲板と思われる) インヴィンシブル級(空母) イギリス→「インヴィンシブル」がオーストラリアへ売却される計画があったことからコアラの森学園? アクイラ(空母) イタリア→アンツィオ高校
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『だからもっと弾けていこう、恋していこう、青春はNon-stop』 静かに響き渡る旋律。 ゆったりと歌詞を紡ぐ穏やかな歌声。 小さな部屋の一室にて音楽が奏でられる。 『いつだって夢を見たいな 全力で羽ばたいていこう―――――――』 引き鳴らされるアコースティックギター。 サビを弾き終え、曲はゆったりと終わりを告げる。 詩も曲も彼女が作った。自分だけの音楽だ。 自宅で練習がてらに弾き語りを行うのが彼女の日課だった。 「………はぁーっ……」 弾き語りを終えた少女はギターを置き、ごろりとベッドに転がる。 そのままアンニュイな表情でぼんやりと天井を眺めていた。 (結局、今日も入部出来なかったなぁ…) 聖川 紫杏(ひじりかわ しあん)。 軽音部へ入部志望の高校一年生。 音楽をこよなく愛するごく普通の少女…なのだが、人見知りで内気な性分の持ち主である。 そんな性格が災いし、高校入学から暫く経っても軽音部へ入部出来ずにいる。 ゴールデンウィークが刻々と迫る中、未だに門の前で足踏みしている状態だ。 「早く入部届出さなくっちゃ…」 部活は時間が経てば経つほどまず入りにくくなる。 しかもゴールデンウィークには合宿があると言っていたような…。 とにかく、早く入部しないとダメだ。もたもたしてるとますます入りにくくなる。 でも正直に白状すると恥ずかしい。 こんな時期に入部希望だなんて、ヘンに思われそうで気が引けてしまう。 「あー、もう!ただでさえ人見知りなのになぁ、もーっ!」 ベッドの上でゴロゴロと悶え。 自らの性格を恨めしく感じながら、シアンは思った。 ―――――決めた。明日こそ入部しよう! 何度目かも解らぬ決意を胸に、くるりと寝返り。 俯せの姿勢になり、枕を抱えながらスマートフォンを弄り始める。 (頑張るのシアン。明日こそちゃんと入部しよう…その前に、まずはゲームで気持ち上げときますか!) つまり気分転換である。 シアンは慣れた手つきでスマートフォンを弄り、アプリケーションを起動。 「SHOW BY ROCK!!」。曲に合わせて三つのボタンを譜面通りタイミング良く押していく、言わば音楽ゲームだ。 音楽を愛するシアンにとってお気に入りのゲームである。 シアンはスマートフォンの画面と向き合い、リズムに乗りながらその指でメロディを奏で続け―――― 「やったぁ、最高記録!」 ―――――フルコンボ達成である。 自己最高記録を達成し、喜びの余りベッドの上で小さくはしゃぐ。 そのままシアンは画面をタッチし、リザルト画面へと移行。 このスコアならきっと珍しいアイテムが出てくる筈。 そう思っていた矢先だった。 [アイテムゲット!【シャブティ】] 「………シャブティ?」 リザルト画面に表示されたのは、見慣れぬ人形のようなアイテム。 シアンの顔にきょとんとした表情が浮かぶ。 次の瞬間。 スマートフォンの小さな画面から強烈な光が放たれ。 驚愕する間もなく、彼女の世界は反転した。 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ 「え……え?何………?」 とある古びたアパートの一階、103号室。 シアンは自室で尻餅を突き、混乱した表情を浮かべていた。 ゴッサムシティのハイスクールに通うギタリストの少女は、『目の前』の非日常への恐怖を覚える。 突如として現れた『男』への恐怖と困惑を示す。 「誰なの…?」 始まりはごく当たり前の日常からだった。 自宅へ帰り、暇潰しと言わんばかりにスマートフォンを起動したシアン。 そんな彼女が発見したのは『シャブティ』という見慣れぬアプリ。 いつダウンロードしたのかも覚えていないそれに対し、どこか既視感を覚えたシアンは迷いつつも『シャブティ』を起動。 そして、ダウンロードの完了と共に―――――スマートフォンが光り。 自らの目の前に姿を現したのは。 「ヒャァーーーーッハァァァァァーーーーーーーーーッ!!!!!」 ――――――激奏ッ!! 唐突に響き渡るメロディ! 細長い指によって弦の音色が掻き鳴らされるッ! 卓越した高速ピッキングによる攻撃的なギターサウンドが轟くッ!! 呆然とするシアンに容赦なく暴風の如しロックンロールが叩き付けられるッ!!! 「ロックンロォールッ!!今日も元気にッ死んでるぜェェーーーッ!!!」 そして演奏はフィニッシュへと向かう! 怪物のようなエレキギターを掻き鳴らしていた男がシャウトのような声で叫ぶ! 青白い肌。牙にも似た剥き出しの肋骨。骸骨にも似た貧相な肉体。 その男は『ゾンビ』を思わせる異形の存在だったッ! ただぽかんとするのみのシアンは、演奏を終えたゾンビの男を無言で見上げる。 先程まではただ怯えるのみだったが。 シアンの顔から、いつの間にか恐怖が消え失せていた。 見下ろすゾンビ。見上げるシアン。 暫しの沈黙が場を支配した後。 シアンが、先に口を開いた。 「かっこいい……」 小さな口からぽつりと溢れる言葉。 眼をきらきらと輝かせ、頬を薄く紅潮させていた。 禍々しいギターによる激奏。魂に訴えかけるようなロックンロール。 最初は怖いと思っていた。 だが、そのサウンドを聴いている内にシアンの胸に熱い感情が込み上げてきた。 ――――――素敵だ。カッコいい。 ギタリストであり、音楽を愛するシアン。 目の前のゾンビが演奏する卓越したギターサウンドは、彼女の胸に強い衝撃を与えた。 シアンの心中の恐怖や混乱を吹き飛ばす程に。 「あ、あの…!もしかしてプロの方ですか!?」 グイッと顔を近づけ、ゾンビに問い質すシアン。 その表情からは興奮と昂揚が垣間見える。 魅入られた様子のシアンを見下ろし、ゾンビは機嫌を良くしたようにギターを鳴らす。 「よくぞ気付いてくれた!!俺サマはかつて『メタルの神』と称された男よ!! まッ、つっても随分過去の話だ!オマエみてぇなチンチクリンじゃ知らねえだろうがなァ!!」 『メタルの神』―――――ゾンビは己をそう称する。 シアンは思う。決して嘘ではないだろう。先程の演奏からして技術は卓越していた。 何より、あのサウンドからは滾るような想いを感じられたのだから。 「さあ願いを言ってみろ!オマエが聖杯に託す『願い』をよォッ!! 俺のマスターになったからには相応の願いがあるだろう!?」 そのまま唐突に畳み掛けるようにゾンビが言い放つ。 シアンはえっ?と言わんばかりのぽかんとした表情を浮かべる。 聖杯に託す願い。マスター。 そういえば、そんなこともあったような気がする。 何故だか解らないが、自分はそれを『知っている』。 それを言うべきかどうか、迷う様子を見せるシアン。 そのまま暫しの間を置いて、もじもじとした様子で伝えた。 「強いて言うなら……」 「おォ?」 「部活……」 「あ?」 「軽音部に……入部したいなーって……」 どこか恥ずかしそうに伝えるシアン。 ゾンビは呆気に取られた様子で彼女を見下ろしていた。 「………ケーオンブだァ?」 「ご、ごめんなさい!他に大した願いもなくって…」 「本当にそれだけかよ?」 信じられないと言わんばかりの態度で問い質すゾンビ。 上手い言葉が見つからないシアンは口籠らせる。 どこか疑う様子のザベルに対し、僅かに怯えた様子でシアンは言葉を紡ぐ。 「その…私、そんなに大それた願いも無いですし… ゴールデンウィークまでに部活に入ることが出来たらそれでいいかなーって…」 それはシアンにとっての本心だった。 大金持ちになりたいとか、世界征服を死体とか、そんな派手な願いは望んでいない。 ただバンドをやりたい。というか、軽音部に早い所入りたい。 今の彼女にとっての明確な願いとはそのくらいのものだった。 「つまんねェなア!聖杯なんてモンがあるんだぜ!? だったらデカい野望の一つや二つ叶えるしかねェだろうがよォ!!」 突然顔を近づけてながら言ってくるゾンビ。 ほんの少しびっくりした様子でシアンが後ずさる。 何でも願いが叶えられるモノがあるというのに、部活に入りたいだなんていうくらいの願いしか無い。 確かにちょっと地味だよなぁと、シアンは頬を掻きながら思った。 「えっと……考えておきますね。出来れば部活には自力で入りたいかなーとは思ってますし… あっでも私、あんまりいい願い浮かばないかもしれないかな…」 はにかみながら苦笑し、ゾンビにそう伝える。 何とも煮え切らない表情を浮かべていたゾンビだが、シアンは現に聖杯を使ってまで叶えたい願いが無い。 いきなり「勝ち残ったら聖杯を手に入れられる!」なんて言われても困るのだ。 そのまま何とも言えない空気が流れ、気まずくなったシアンが口を開く。 「あ…そういえば、お名前聞いてませんでしたよね!」 「おォ!そうだったなァ!!」 シアンに名を問われ、思い出したようにゾンビが言う。 そのままゾンビが己のギターを掻き鳴らしながら、その名を告げる。 「『ダークストーカー』――――――ザベル・ザロック様だ!覚えておきやがれェ!!」 闇の住人――――――ダークストーカー。 存在する筈の無い「番外位“エクストラクラス”」。 それがシアンの召還したサーヴァントだった。 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ 聖杯戦争。 奇跡の願望器。 令呪。 マスター。 サーヴァント。 ゴッサムシティ。 ロックギタリスト、ダークストーカー。 余りにも唐突過ぎる始まり。 まるで空想の物語にでも入り込んだかのような常識外の話。 ゴッサムシティという街で繰り広げられる戦い。 勝利して得られるものは、あらゆる願いを叶えられるという奇跡の願望器。 ただゲームの最高記録を出しただけだったのに、何故こんな大それた話になっているのだろうか。 流石にこれが現実の出来事だなんてことは有り得ないだろう。 (ゲームのやりすぎなのかなぁ、私…) シアンは頬を掻きながら、ふとそんなことを思う。 ゲームをやっている途中でばったりと眠ってしまったせいだろうか。 今日はなんだか変な夢を見ているなぁと、暢気なことを考えていた。 【クラス】 ダークストーカー(エクストラ) 【真名】 ザベル・ザロック@ヴァンパイア 【属性】 混沌・悪 【ステータス】 筋力C+ 耐久C++ 敏捷B+ 魔力C 幸運C 宝具B 【クラス別スキル】 魔物:C 闇の住人(ダークストーカー)。伝承や噂話で語り継がれる異形の怪物。 種族によってその能力や特性は大きく異なる。 ザベルの場合、人から後天的に人外へと転じた。 魔の属性を持つ攻撃に対する耐性がアップする。 ただし退魔の逸話・能力を持つ攻撃に対しては逆に被ダメージが増加する。 対魔力:D 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 【保有スキル】 ゾンビ:B 死の淵より蘇りし屍人。リビングデッド。 ザベルは魂に闇の洗礼を受け、ゾンビとして蘇った。 肉体を自在に変化・操作する能力を持ち、身体の伸縮による打撃、手足のチェーンソー化、骨による刺突など数々の奇怪な攻撃を行える。 ゾンビとしての不死性も備え、魔力を用いることで通常のサーヴァントよりも優れた再生能力を発揮出来る。 精神汚染:A 闇の眷属として蘇った猟奇的な狂人。 同ランク以下の精神干渉をシャットアウトする。 魔に魅入られ、己の信奉者達を生贄にし魔物へと転じた精神性は並の者には理解出来ない。 魔力放出(雷):C+ 武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出するスキル。 ザベルの場合、肉体を魔力で帯電させて攻撃に用いる。 空中戦闘:B 空中での攻撃判定にプラス補正が掛かる。 また滞空による敏捷値のマイナス補正を受け付けなくなり、常に十全の機動力を発揮出来る。 魔力を瞬間的に放出することで空中ダッシュを行うことも可能。 【宝具】 『Le Malta(ル・マルタ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 帝王オゾムがザベルの監視役として送り込んだ単眼の魔物。 ザベルの唯一無二の相棒として宝具へと昇華された。 短距離の空間転移を行え、ザベルを飲み込んで共に転移することも可能。 更にギターやスピーカーなど様々な形態に変身し、ザベルとのトリッキーな連携によって戦う。 『Death voltage(デス・ボルテージ)』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人 魔力放出(雷)スキルより派生した宝具。 髑髏を象った強力な電撃を纏って突進し、相手を感電させる。 命中することで電撃による追加ダメージを与えられる。 空中戦闘スキルの恩恵によって空中でも発動可能。 空中で発動した場合、空中ダッシュによって突進する。 『Hell dunk(ヘル・ダンク)』 ランク:C++ 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1人 奇想天外な地獄の籠球。 空間転移をしたル・マルタが地面から相手を捕獲し、無力なボールの形状へと変える。 そのままボール化した相手を受け取ったザベルがバスケットゴールに変身したル・マルタにダンクシュートを決める魔技。 ボール化は物理的防御や対魔力など相手のあらゆる抵抗を無視して一方的に押し付けられる。 ダメージ判定はダンクシュートが決まって相手が地面に叩き付けられた瞬間に発生し、 相手の耐久値を無視して大ダメージを与えることが可能。 ただし直感スキルなどの危機感知能力があれば地面から出現するル・マルタを事前に察知可能。 またル・マルタの行動を先読みできる能力や高い瞬発力さえあれば回避は然程難しくない。 ボール化はダンクシュートによるダメージ判定が発生した時点で自動解除される。 【Weapon】 己の肉体 【人物背景】 かつて「メタルの神」と称されていたカリスマギタリスト。 この世の快楽のみでは満たされなくなった彼は魔界の力に魅入られる。 ライブで自らのファン100人を殺害した後に自害し、ゾンビとして復活した。 殺戮を好む残虐で狡猾な狂人だが、ハイテンションでコミカルな一面も併せ持つ。 【サーヴァントとしての願い】 絶対的な力を獲得する。 【方針】 勝ち残る。 【エクストラクラス:ダークストーカー】 闇の住人を意味する魔物のサーヴァント。 悪魔や怪物、妖怪と言った人外の存在がクラス適性を持つ。 クラススキルとして「魔物」「対魔力」を備え、魔の属性に対する高い耐性を持つ。 ただし退魔効果や聖なる逸話を持つ武具を主な弱点とする。 【マスター】 シアン(聖川 詩杏)@SHOW BY ROCK!!(アニメ版) 【マスターとしての願い】 ゴールデンウィークまでに軽音部に入部したい。 ただし別に聖杯に縋るほどの切実な願いという訳でもない。 【weapon】 エレキギター 【能力・技能】 ギターの演奏が出来る。 自分で作詞作曲もしている模様。 【人物背景】 女子高生のギタリスト。クラスは一年三組。 内気な恥ずかしがり屋で、その性格から高校の軽音部に入部出来ずにいる。 明日こそ入部しようと決意した日の夜、アプリゲーム「SHOW BY ROCK!!」の世界に迷い込んでしまう…はずだった。 アプリ内にデータとして紛れ込んでいた「シャブティ」を入手し、シアンはゴッサムシティへと誘われることになる。 【方針】 聖杯戦争自体を夢だと思い込んでいる。 ダークストーカーとセッションしたい。 【令呪】 右手に発現。 肋骨を思わせる六本の刃に包まれたハート。 消費は左側の刃三本(一画目)→右側の刃三本(二画目)→ハート(三画目)。
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1: グラスホッパー。英語でバッタを意味する言葉である。 それ以上の意味など、通常ない。衆愚の街、ゴッサム以外であったならば。 この街においてグラスホッパーと言えば、最近になって彗星のように現れた自警団の事を指す。 自警団。そう、ゴッサムシティで、である。馬鹿馬鹿しい試みであるとしか、通常は思えない。 警察と言う国家組織の半数がマフィアやギャングに買収されているこの都市だ。 自分の身は自分で守れと言う心構えはこの街どころか合衆国では当たり前のスタンスであり、自警団じたいが、寧ろ何故今まで設立されていなかったのか、疑問に思うだろう。 簡単だ。この街では余りにもそう言った物を設立する事が、馬鹿らしいものと認識されて来たからだ。 ギャングもマフィアも、汚職に手を染める公務員達は根っこは同じだ。自分達の自由を侵害される土壌と、それを行いかねない組織の台頭を彼らは嫌う。 つまり、そう言った組織を彼らは良しとしない、潰しにかかるのである。ひょっとしたら、過去、ゴッサムでも自警団の芽が芽吹いた事も、あったのかも知れない。 そう言った存在がメジャーなものにならなかったのは結局のところ、司法や行政、アウトローが一体となって彼らを潰して来たと言う理由が大きい。 しかし、今回は事態が違った。 ゴッサムに現れた新興の自警組織、グラスホッパーは、ギャングやマフィアのみならず、司法の手にも屈さなかった。 グラスホッパーの団員の練度は驚く程高く、マフィアやギャング達を軽くあしらう程強いと言うのもあるが、それよりも驚くべきなのは、彼らの首魁、犬養の手腕だろう。 犬養舜二と言う名前のこの日本人は、驚く程の手練手管の持ち主だった。インテリと言う言葉がこれ以上となく相応しい切れ者で、話術に長ける。 それだけでなくルックスの方も、日本人とは思えない、西洋人の美形風のそれで若い男女にも非常にウケが良い。 何よりも恐ろしいのは、この犬養。自らのそう言った武器を総動員し、組織の運営に一役どころか、二役三役、いや、四役も五役も買っているのだ。 行政法や市条例を駆使し、グラスホッパーを潰乱させようとする行政部を、彼らの上を往く法知識で軽くあしらいその危機を脱させて来た回数は、数知れない。 グラスホッパーのカリスマ的指導者として犬養は、今やこのゴッサムにおいて一方ならぬ有名人。知らない者など、それこそマイノリティな程のメジャー人物だった。 若き美貌の持ち主の上に、カリスマ性に富み、インテリジェンスに溢れてて。 それでいて如何なる暴力にも屈さないヒロイン性と、汚らしい権力の魔の手を軽く払いのける程の場数も踏んでいる。 これで、人気が出ない筈もない。現にグラスホッパーの入団者の志望動機の殆どが、グラスホッパーの掲げる理念に賛同した、と言うよりも、犬養のカリスマ性による所が大きい。 此処最近のグラスホッパーの入団希望者は、日々増加の一歩を辿っている。 大学生や高校生が若さ故に、理念、或いは犬養のカリスマ性に当てられ、入団を希望してしまったケースもある。 ミーハーの女性が、犬養の美貌に惚れてしまい、入団を希望してしまった事もある。 ギャングやマフィアに暴力を振るわれて過ごして来た浮浪者達も、面接を希望した事もある。ただ暴れたいだけの無骨な乱暴者の数も、決して少なくはなかった。 グラスホッパーに集う者の理念は種々様々であるが、解る事は一つ。グラスホッパーの人気は、今が絶頂の最中にある、と言う事だった。 そう言った狂熱に、グラスホッパーと言うグループが包まれている為に、気付く者は少なかった。 彼らと対立している政治家や議員、ギャングやマフィアが次々と消えて行っていると言う事に。少し考えれば、おかしいと気付く事ではあろう。 しかし、こんな簡単な事実に気付かない人間の方が、マジョリティであった。今まで汚い事をやって来た、政治家達の自業自得であると思われている事の方が多かった。 今では、グラスホッパーに対して否定的な意見をぶつけてくる人間の方が、少なかった。 一ヶ月にも満たない期間で、グラスホッパーが築き上げた基盤の強固さを驚くべきなのか。 それとも、今まで彼らと敵対して来た権力者や暴力団が消えて行った、と言うツキのなさを驚くべきなのか。 ――何れにせよ、解る事は一つだ。 今のゴッサムに、救世主として君臨するイナゴ達と、それを率いる王(アバドン)と敵対する存在は、最早絶無に等しいと言う事であった。 . 2: 「いやぁ、最近は良くもまぁまぁ、グラスホッパーの入団希望者が増えるじゃないか」 戯れ程度に犬養が置いて行った、数日前の、グラスホッパーの入団者の推移グラフを見て凌馬は面白そうにそう言った。 グラフは解りやすい棒グラフでデータを表しており、日を重ねるごとに、見事な階段状になっているのが見て取れる。 余程無学な者でも、日を追うごとにグラスホッパーに入りたいと言う気持ちの者が多くなって来ている、と言うのが解るだろう。 「解っているとは思うが、そのグラフに記されている希望者全員を入団させている訳ではないよ。信頼出来る人物にテストと面接で篩にかける事を任せているからね」 「希望者を面談なしに合格させても良いんだよ。その方が私としても、種々様々なデータを採れる」 「大量募集のアルバイトじゃないのだからそんな事はしないよ」 キャスターのクラスとして現界したサーヴァント、戦極凌馬は、犬養と同郷出身の英霊で、しかも活躍した年代まで近いと来ている。 話は合うかと思えば……まぁ、何処となく噛み合わない。凌馬が時々こんな、冗談めいた事を口にするからである。 科学者としての手腕と、その見識については、間違いなく凌馬は一流であるが、天才には奇人が多いと言う言葉に、嘘偽りはなく。この男も、そんな類であった。 グラスホッパーの運動神経に優れる団員達に、戦極ドライバーなる不思議なベルトバックルを行き渡らせたのは、何日か前の事だった。 キャスターのサーヴァントが発明した代物であるからには、それ相応の品物なのだろうと犬養は思っていたが、まさかあれ程までとは、思ってもいなかった。 ヘルヘイムの果実と呼ばれる代物で拵えられた、ロックシードなるアイテムをバックルに嵌め込む事で、 その人物は果実を纏う――不思議な表現だが、犬養にはそうとしか言いようがないのだ――。ユニークな表現であるが、これが事実なのだ。 そして、その果実を纏った戦士は、人間の時よりも遥かに優れた運動能力を発揮する、だけでない。専用の武器まで用意され、それを振う事が出来る。 これを上手く利用すれば、グラスホッパーの自警活動が大幅にスムーズになる事は間違いがなかった。凌馬にしても、私兵代わりの者達が増えるのだ。メリットは大きい。 この上に、戦極シードやロックシードは、量産が出来る。このゴッサムに、ヘルヘイムの果実の成る地帯そのもの。 つまり、ヘルヘイムが浸食――これに関しては、凌馬は最初で最後とも言える程の驚きを示していた――しているからだ。 この侵食部分さえ発見出来れば、理論上はロックシードは、団員全員に配ってなおおつりが来る程作成出来る。兵力増強はまさに、抜かりなし、と言うものだ。 団員達の戦極ドライバーについての簡単な詳細と、その使い方。 それらを用いた訓練、と言う名の、アーマードライダーになった際の軽い運動テストが終わったのは、一昨日の事だ。 アーマードライダーになったグラスホッパーの実地テストは、先日行われた。実地……つまり、弱小~中堅規模のギャングやマフィアのテリトリーの事だ。 結果の程は、凌馬にとっては当然の結果、犬養にとっては想像を上回る結果、と言う所だ。アーマードライダーと化したグラスホッパーは、目覚ましい活躍を遂げたと言う訳だ。 幹部連中には、時期にゲネシスドライバーと言う、戦極ドライバーの上位互換も配られる予定である。但しこれは秘密裏にだ。 何れにせよ、グラスホッパーの戦力増強、及び、聖杯戦争を勝ち抜く為の駒配置は、着実に進んでいる、と見て間違いはなかった。 「ところで、マスター。例の件、確証は取れたのかな」 言われたその時、犬養はアタッシュケースから数枚の書類を取り出し、凌馬が座っているデスクの上に置き始めた。 二人は今、ゴッサム市内の超高級ホテルの階層一つを貸し切って、其処を拠点としていた。此処を自警活動の拠点の一つとして利用している。 凌馬の陣地作成スキルは大して高くない。規模の小さな工房しか作成しえないが、これは逆に言えば、直に工房を作成出来ると言う事も意味する。 グラスホッパーの拠点はこのホテルだけでなく、他にも秘密裏に様々な場所にアジトを隠している。当然其処にも秘密の工房が用意されている。 仮にここを攻撃されても、最も頑丈な拠点が一つ潰れるだけであった。 どれどれ、と口にして凌馬は、犬養が手渡した資料に目を通す。 「やっぱりいたか」、数秒程して、ウンザリしたような口調で凌馬は書類を全て、机の上に叩き付けるようにして乱暴に置きだした。 「その四名、大方の予想がつくが……」 「そうだねぇ、聖杯戦争の関係者、として睨んでおいた方が良い」 言って凌馬は、心底面倒そうな表情でかぶりを振るった。 犬養が手渡した書類――もとい、ある人物らの身辺を調べ上げた調査書は、四枚あった。 凌馬はこのゴッサムに呼び出され、ユグドラシルタワーと言う、日本の沢芽市に建てられていた筈の建物をその目にした時、本当に驚いたような顔をしていた。 何でもあの建物は、生前凌馬が研究をする為に利用していた施設であったらしく、このゴッサムにあの巨大なビルが再現されていたとは、思っても見なかったらしい。 と言う事は、あの建物には、凌馬もよく知る人物が最低でも『四人』はいる筈なのだ。凌馬は、グラスホッパーのメンバーが膨れ上がった事を契機に、 犬養にユグドラシルタワーと密接に関係しているある四人を、グラスホッパーのメンバーを監視役にして、調べ上げて欲しいと頼んだのだ。 その結果が、今犬養から手渡された書類だ。結果は、四人とも、このゴッサムに招かれていた。だから、ウンザリしていたのである。 調査書の人物は全て、生前の戦極凌馬と縁のあった者達だ。 『呉島貴虎』。彼はゴッサムシティのユグドラシルタワーでも、研究主任と言う栄えある立場の住人だった。本社の前で瞠らせていれば、直に見つかった。 『シド』。元いた世界ではロシュオに殺されたそうだが、彼はこの世界ではユグドラシルの営業職として働いているらしい。 『湊耀子』。元の世界では凌馬の秘書であったが、彼女が此処で何をしているかは解らない。何れにせよ要警戒だ、生前は、凌馬を殺した相手に鞍替えした女性なのだから。 『呉島光実』。貴虎の弟だ。これはゴッサムでも立場は変わらないらしい。彼はゴッサム内の高校に通っているグラスホッパーのメンバーに頼んだら見つかった。 この少年は特に要警戒だ。NPCになっても喰えない、或いは、油断のならない少年になっている可能性は十二分に認められる。 以上四名。再現されたNPCである、と言う可能性は、確かに認められる。 しかし凌馬はそうは思わない。もしかしたらその可能性はありうるだろうが、警戒をしておくに越した事はないのだから。 「彼らは君と同じような、戦極ドライバーや、ゲネシスドライバーと言う奴で戦う事が出来るのだろう? サーヴァントなのかい?」 犬養が訊ねて来た。ノンノンノン、と言いながら、凌馬は人差し指を左右に振った。 「サーヴァントだったらユグドラシルや学校に通うよりも私みたいにこう言う場所に閉じこもって居たり、霊体化していた方が得策だ。彼らは十中八九、君みたいなマスターだろう」 「――で、私がそんな彼らに対抗する為に制作したのが、これだ」、そう言って凌馬は、机の上においてあったリモコンを手に持って犬養に見せつけた。 「何だか解るかい、これが」 「何となくは、ね」 「ほう、当ててごらん」 「もしも僕が君のような技術力と発想力を持っていたら、アーマードライダーが牙をむいた時の為に、保険を用意するよ。 例えば、戦極ドライバーやゲネシスドライバーとか言う物を破壊する為の、ね。君の持っているリモコンは、そう言うものだろう」 「正解」 ニコッと笑って、凌馬は犬養のベルトのバックル辺りに指を指示した。 「これは通称、『キルプロセス』、って言ってね。早い話が君の言った通りだ。ゲネシスドライバーをピンポイントで破壊させて、アーマードライダーに変身させない為の装置だ」 「戦極ドライバーには必要ないのかい? その、キルプロセスは」 「必要がないよ。戦極ドライバーとゲネシスドライバーには天地ほどのスペック差があるからね」 「……いや」、そう言うや、少し悔しそうな顔で凌馬は訂正の準備にかかった。 「正確に言えば、先に上げた四人が持ち込んでいるであろう戦極ドライバーのキルプロセスは、作れないと言うべきか。自壊装置を組み込んでないからね。 私がキャスターとして呼ばれた時以降に作った戦極ドライバーには、全てキルプロセスを仕込んであるが、それ以前に……つまり、生前開発したドライバーには組み込んでいない」 「その口ぶりだと、戦極ドライバーのキルプロセスも、作りたかったみたいだね」 「それはそうさ。今回の戦いは聖杯戦争だからね。書類の四人の内、戦極ドライバーも保険で持っていると思しき人間は、呉島兄弟だ。これは問題ない、私が倒せる。 だが、この二名の内誰かが、『サーヴァントを従えていたら』。これが問題だ。そうなってしまうと私は『戦極ドライバーのアーマードライダーとサーヴァントの二人を』相手にしなければならなくなる。どうなるか解るだろう?」 「当然、サーヴァントの相手はサーヴァントがする事になるだろう。従って僕の方には、『戦極ドライバーで変身したアーマードライダーが向かって来る』。勝ち目がない」 「君は実に聡明だ、マスター。そう言った事態を防ぐ為に、戦極ドライバー用のキルプロセスも用意しておきたかったと、臍をかんでいるのさ」 理に叶っている。凌馬の言う通りだ。ゲネシスドライバーを装備したアーマードライダーならば、戦極ドライバーを装備した者に負ける道理はない。 ましてや今の凌馬はサーヴァントだ、なおの事だろう。しかしこれも彼の言う通り、戦極ドライバーの装備者がサーヴァントを従えていたら? 犬養は戦闘の素養が全くない。相手は必然的に、従えるサーヴァントを凌馬にぶつけ、自分は犬養に向かうと言う戦法を取るだろう。こうなったらアウトだ。 だからこその、戦極ドライバー用のキルプロセス。尤もらしい理由だった。 「……それと、もう一つ。これはあまり言いたくないんだが……」 凌馬は左手の中指を立てた。思い出すのも癪だ、とでも言いたそうな表情だ。 常に不敵な笑みを浮かべている彼にしては珍しく、苦虫でも噛み潰したような渋い顔を浮かべている。 「実は僕、生前、戦極ドライバーを装備して戦った者に殺されてね……」 「ん? ゲネシスドライバーは確か……」 「おっと勘違いしないで欲しい。其処の所は覆らない。何と言うべきか……相手が、私の予想を上回る……進化、と言うべき現象を起こしてね。それに敗れたんだ……」 腸の煮えくり返る様な表情、と言うのはきっと今の凌馬が浮かべている表情の事を指すのであろう。 歯を食いしばり、生前の事を思い出しているに違いない。犬養には、凌馬が何に腹を立てているのか解らない。 まさか知る訳もないだろう。彼が腹を立てているのが、生前自分が殺されてしまった事に対する悔しさではなく、自らを殺した駆紋戒斗が、自分の手がけたドライバーを経ずに新たなステージへと進んでしまったと言う事実に憤っているなど 一息、呼吸をしてから、凌馬はリラックス。その後、口を開いた。 「科学者である私がこんな事を言うのも馬鹿げているが、まぁ、不吉なんだよ。戦極ドライバーはね。憂いの要素は、潰して置きたかった」 腰を下ろしていたチェアの背もたれに、深々と寄りかかりながら、凌馬は口にする。 大分、腹腔に蟠っていた怒りやら不満やらが薄れて来たらしい。口調もいつも通りのものに戻っていた。 「キャスター、実は僕が聞いておきたいのはその戦極ドライバーの事でね」 「知識欲旺盛だねマスター、何だい?」 「団員全員に行き渡らせて良いのかい?」 「……と、言うと?」 凌馬の瞳に、怪訝の光が宿り始めた。敵と対峙した時のような鋭さが、その黒瞳で光っている。 「君の戦極ドライバーを見て思ったのだ。実際、あれは相当に素晴らしい発明だ。それは解る、だが、奪われた時が問題だろう」 「……あぁ、そう言う事か」 犬養の考える懸念を即座に理解した。ユグドラシルに在籍していた時も、そう言った問題提起は行われていた。 そしてその問題は、当の昔にクリアーされている。手抜かりはなかった。 「マスターは、ギャングやマフィア、敵対する聖杯戦争参加者に、私の研究成果が逆に利用されるのではないか、そう思っているね?」 「そう思うのが、普通だと思うのだが」 「君は正しい事を言っている。だがこれも問題はない。戦極ドライバーは、最初に装備した者にしか扱えない。転用は不可能だ」 「ゲネシスドライバーは、如何なんだい」 「元々は転用出来る物だったが、今回制作する奴は、転用が出来ないようにするつもりだ。手違いで参加者に流れてしまったら拙いからね」 犬養の憂いはさしあたっては問題ない、と言う所らしい。 「――だが」、と。不安にするような一言を凌馬は口にする。補足があるらしかった。 「例外は存在するかもしれない。例えば私のように、キャスタークラスが他に召喚されていた場合だ。 私の傑作とも言える戦極ドライバーやゲネシスドライバーを、何らかの手段で改造され、キルプロセスも抜かれ、転用して来るサーヴァントがいるかもしれない。 無論、セキュリティは私以外には理解出来ないブラックボックスにしたつもりだが……例外は何時だって存在する。そうなってしまえば流石にお手上げだ」 「それは、仕方がないのではないか?」 「そうだ、そう言うエラーは仕方がない。だが、なるべくなら排除しておきたい。解析されるにしても、精々戦極ドライバーまでだ。 それより上のゲネシスドライバーを逆に解析され、転用されてしまう事だけは避けたい事態だ。だからこそ――『君専用のゲネシスドライバー』が必要になるんだよ、マスター」 ニヤリ、と口の端を吊り上げて凌馬が言った。 飽くなき研究欲求だけが全ての衝動のような男だったが、よもやマスターまでも巻き込もうとするとは。呆れた男だと、犬養は思った。 「くどいようだが、何事も絶対はない。ある人物のつけていたゲネシスドライバーを奪い、これを利用して戦った少年を、私は知っているのだよ。 セキュリティは万全に整えるが、私の世紀の発明がマスターに牙を向く事だって、なくはないのさ。 それに、さっきも言ったが、私がゴッサムシティに私が呼び出される以前に開発した戦極ドライバー所持者がサーヴァントを従えていたら、これは非常に拙いんだ。だからマスターも、戦う準備はしておいて欲しい」 「僕すらも、戦闘データーの一つにする気かい? キャスター」 「当たり前だろう?」 大げさに手を広げて、凌馬が言った。全く悪びれもなく、隠し通さず。彼は当然のように言って退けた。 「私がそう言う人物だと言う事は、おおよそ解っていただろうマスター。とは言え、安心したまえ。私がマスターに退場して貰いたくないと言うのは真心だ」 「聖杯が欲しいから死んで貰うのは困る、では?」 「アッハ!! 鋭い鋭い、貴虎も君ぐらい私と言う人間を理解出来ていれば、馬鹿な目を見ずに済んだんだが……」 パンパンと手を打ち鳴らし、実に愉快そうな口ぶりで凌馬はいけしゃあしゃあと口にする。 解っていた事だが、食えない男だと犬養は改めて戦極凌馬を認識した。これは、目を離す事が出来ない。常に手綱を握っておかねば、拙い人物だと再認させて貰った。 「私の下心が如何あれ、君に死んで貰いたくないのは事実だ、マスター。君が死ねば私もその時点でデッド、だからね。 私が現状で作製出来る、最良のゲネシスドライバーとロックシードを約束しよう。とは言え、科学者と言うのは常に進歩し、新たな着想を得なければいけない人種。 特に特別な君に、いつも通りのドライバーとロックシードでは進歩がないだろう、と思ってね。其処で、君に意見を仰ぎたい」 「意見、かい? 何だいそれは」 「犬養舜二専用ゲネシスドライバー案さ、君に意見を求めるのは当然だ。作業は酷く難航していたんだが……以前、ゴッサムのテレビ局で放映していた番組を見て着想を得てね。 おっと、実は後三十秒程で始まるんだ。とっくりと見て行くと良い、マスター」 言って凌馬は、テレビリモコンで液晶テレビの電源をオン。 チャンネルを回し、その番組が放映されるチャンネルに合わせる。それと同時に、時刻が午前八時に変わった。 ――このゴッサムには似ても似つかない様な小鼓の音が先ず、スィートルームにこだまする。 映画もダイナミックに見れるであろう大画面液晶テレビに相応しい、これまた大きなスピーカーから、その音は響き渡っていた。 見よ!! 毛穴は愚か、化粧の肌理すらクッキリと映る程の解像度の液晶内で、自らの身長程もある朱槍を振り回す、全身白一色に塗りたくった、江戸時代の大名――いや、殿様めいた姿の男を!! キレのあるアクション!! 次々と薙ぎ倒される斬られ役!! 和風の楽器と洋風の楽器が奏でる、血肉湧き躍るようなオープニングテーマ!! 嗚呼!! 全てが全て絶妙なバランスで成り立つ、この特撮番組は何なのだろうか!! 「……キャスター、これはなんだね」 犬養は先ず、自らが引き当てたサーヴァントである、戦極凌馬に問を投げ掛けた。犬養は呆然としていたが、凌馬は食い入るように番組を見つめていた。 「大江戸戦士トノサマン」 即答した。 「日本の英都撮影所と言う所で考案された特撮らしい。日本での人気はうなぎのぼりで人気シリーズ化、今では海外でも時期遅れで放映されるに至ったらしい」 求めてもいないのに、補足まで加えて来た。 「……戦極ドライバーのテストの時も思ってたが、『一撃!! インザシャドウ!!』って言う掛け声や、ドライバー、アーマードライダーのデザイン、って……」 「私の趣味だ。素晴らしい美学だろう。生前も評判だったよ」 良い笑顔を犬養に向けながら、凌馬は当たり前の事を口にするみたいに返事をした。 液晶内でトノサマンとやらが、大立ち回りを繰り広げている光景を目の当たりにしながら、犬養は口を開く。 「……これと、僕のゲネシスドライバーとの関連性はあるのかな」 聞くのが怖いが、聞かないでは済ませられないだろう。 尤も……聡明な犬養には、これから凌馬が口にするだろう事柄を、何となく理解していたが。 「この特撮番組の監督は、顔は見た事ないが、私と同じ優れたセンスを持っているに違いない。私と同じようなセンスの持ち主……有体に言えば、天才だ。顔も知らないこの監督に敬意を払い、私は彼のアイデアを借り受けたい」 「つ・ま・り、だ」。此処で大江戸戦士トノサマンのOPが終わり、スポンサー紹介の場面に映った。 「君には私が開発した中で最も優れた性能を持ち、それでいて、私が過去手がけた中でも一番新しいデザインのアーマードライダーになれる権利があるんだよ。それこそが、この大江戸戦士トノサマンの――」 「キャスター、君が以前僕に話した、生前開発したエナジーロックシードと言う奴の種類を纏めた資料があったね。あの中から選んでも良いかな」 心底不機嫌そうな表情と態度で、戦極凌馬は手近な机をパーンと叩いた。机の上に乗っていたミネラルウォーターの入ったペットボトルがぐらぐらと揺れる。 CMが終わり、トノサマン本編が始まる。今日は十五話であるらしかった。 . 【MID TOWN WEST SIDE/1日目 午前】 【キャスター(戦極凌馬)@仮面ライダー鎧武】 [状態]健康 [装備]ゲネシスドライバー [道具]レモンエナジーアームズ [所持金]マスターの犬養に依存 [思考・状況] 基本:聖杯が欲しい 1. ゲネシスドライバーの制作に取りかかってみるか 2. マスターには死んで貰っては困る。専用にチューンアップしたゲネシスドライバーを装備して貰う [備考] ※キルプロセスの開発を終えています。召喚された時以降に制作した戦極ドライバーにもキルプロセスは仕込んでいますが、生前開発したものについては仕込まれていません ※犬養専用のゲネシスドライバーを制作しようとしています。性能はもしかしたら、斬月・真よりも上になるかもしれません ※ゴッサムシティに生前関わり合いの深かった人物四人(呉島兄弟、シド、湊)がいる事を認識しております。誰が聖杯戦争参加者なのかは解っていません ※召喚されて以降に開発した戦極・ゲネシスドライバー双方は、イニシャライズ機能がついており、転用が不可能になっています。もしかしたらキャスタークラスなら、逆に解析して転用が出来るようになるかも知れません ※主だったグラスホッパー団員達には既に戦極ドライバーが行き渡っています ※トノサマンモチーフのアーマードライダーが作れなくて残念そうです 【犬養舜二@魔王 JUVENILE REMIX】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備]スーツ [道具] [所持金]大量に有していると思われる [思考・状況] 基本:聖杯戦争と言う試練を乗り越える 1. 解っていたが、凌馬は油断できない 2. あと、趣味が悪いのかも知れない [備考] ※凌馬からゲネシスドライバーを制作して貰う予定です。これについては、異論はないです ※原作に登場したエナジーロックシードから選ばれるかもしれません。何が選ばれるかは、後続の書き手様に一任します ※もしかしたら、自分達が聖杯戦争参加者であると睨まれているのが解っているかもしれません ※凌馬が提起した、凌馬と生前かかわりのあった四人を警戒する予定です ※キルプロセスについての知識を得ました BACK NEXT 009 BLACK ONYX 投下順 011 虚無と歌姫 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 000 Lights,Camera,Action! 犬養舜二 017 魔術師と科学者 キャスター(戦極凌馬)
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#7(2008.05.19) 1.Rocky Sharpe The Replays『Rama Lama Ding Dong』 2.THE RASCALS 『Good laving』 3.水樹奈々『MASSIVE WONDERS』(J1愛媛) 4.Shirley And Lee 『Let Good Times Roll』 5.The Blues Brothers『Jailhouse Rock(監獄ロック)』
https://w.atwiki.jp/animesdvd/pages/12.html
チャ・テヒョン、ナルシャがMBC 単発ドラマ「4TEEN」に出演する。MBCドラマフェスティバルを通じて2部作として放映される「4TEEN」は、「女王の教室」を通じて演技力を認められた子役俳優チョン・ボグンがヨンフン役を引き受けて熱演する予定だ。チャ・テヒョンは大人になったヨンフン役で特別出演した。「奇皇后 DVD」で熱演したユ・イニョン、演技アイドルとしても活躍中のガールズグループBrown Eyed Girlsのナルシャも出演する。「コーヒープリンス 1号店」「ゴールデンタイム」などを演出してスターPDに浮上したイ・ユンジョンPDが独特の感覚的な演出を披露する予定だ。 「4TEEN」は作家・石田衣良の小説「4TEEN」を原作に脚色した作品だ。直木賞受賞作で10代の若者達の話を愉快ながらもしっかりと描き出して好評を博した小説。「4TEEN」は14歳の少年たちを全面に立て、それぞれ悩みを持つ若者達が世の中とぶつかりながら経験するエピソードを描く。1部は韓国で10月19日、夜12時5分より放送される。